'23/06/09(金)

エドワード・ゴーリーを巡る旅|渋谷区立松濤美術館

重い腰を上げて夕方も近くなってから家を出たもんだからチケット購入に並ぶ羽目になった。金曜の夜だしド平日の真昼間よりは混むかもと予想していたが、金曜日は区民無料になっていたのでそのせいもあったかも知れない。

不幸な子供、うろんな客、思い出した訪問。この世の理不尽さやどうにもならなさを示すような物語が、細い細い線が幾重にも重なった筆致で描かれていて好きな絵本だった。

暗そうな表情でも少しとぼけた印象があったり、本編には記述のない謎キャラクターが描かれていたりして、明るい話ではないけど暗いだけでもなくて、良かった。人生とはだいたい理不尽でままならないものだと受け止めているので。

グッズ販売のためフロアにぎゅうぎゅうになった人々を尻目に外に出たら、梅雨時期の雨上がりのような湿度の高い匂いがした。