「ふつう」を読みました

 

ふつう (d BOOKS)

ふつう (d BOOKS)

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 「ふつう」になったものを"変えないということ"も、大切なデザインだと思う。(p.204)

最近氏のデザインした腕時計を買ったのだけれども(そしてそれがきっかけでこの本を手に取った)、人々のいとなみのなかにあまねくふつうこそが良い、この哲学が根底に横たわっているのだなあということがしみじみと感じられて、いい買い物をしたなあと思った。

本当になんの変哲もない黒い革ベルトの腕時計に見えるのだけれど、楕円形のフェイスに縁の金属がシャンパンゴールドだったりして、ありそうで意外とない造形が自分のどんな装いにもぴったり嵌まる。ベーシックのなんと頼もしいことか。

なるほどと感じられることと、自分の捉えられる感覚よりさらに先を見ているのだと感じて何のことを指しているのかいまいち掴めないことがあってまた読み返したいなと思う本だった。